死後事務委任契約

おひとり様の場合、ご自分がなくなった後どうなってしまうのか?
心配ですよね。
お葬式は?お墓はどうなるの?残されたペットはどうなってしまうの?

「お一人様で親戚とも疎遠にしているけど、遺言で葬儀等について記載したから安心!?

そうなでしょうか?

まず、遺言書に自分のお葬式や埋葬方法について記載したとしてもその記載に拘束力はありません。ただし、記載してあれば、これを読んだ人が遺言者の希望を実行してくれる可能性はあります。

「遺言書に祭祀承継者の指定をしたから安心?!」

「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、習慣に従って祖先の祭祀を主宰するべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。」(民法897条1項)

祭祀財産(系譜、祭具及び墳墓 等)は原則として相続財産に含まれません。
(系譜とは家系図、家系譜などです。祭具とは、位牌、仏像、盆提灯などです。墳墓とは、暮石や墓碑などのことをいいます。)
相続人以外の人を祭祀承継人にしてすることもできますし、祭祀承継者に指定されると拒否することはできません。
しかし、遺言書で祭祀承継人を指定したとしても、祭祀承継者が葬儀をする義務はありません。

「任意後見契約で対応できない?!」

成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する
法律」により、成年後見人は必要があるときは、死後事務の一部を行えることが明確化され、「死体の火葬又は埋葬二回する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為」をすることができるようになりました。(民法873条の2)。
しかし、任意後見契約はにはこの法律は適用されませんし、任意後見契約は委任者又は受任者の死亡により委任契約が終了(民法653条)してしまいます。

このように、亡くなられた後の事務処理について考えると不安になってしまいます。
特におひとり様の場合、誰がやってくれるのか…。

そんなとき、死後事務委任について考えてみませんか。


死後事務委任契約について

1 いつ契約するの?
 任意後見契約と同時に契約することが多いですが、任意後見契約と一緒に契約しなければならないという決まりはありません。
依頼した方の死亡により任意後見人は事務管理などの場合を除いて後見人の権限や地位を失いますので、相続財産の管理をする人が現れるまでの空白を埋めるために必要となります。



 どのような方法で契約するの?
契約の方法について法律の規定はありませんが、委任者の死後に実行するものであり、余計な紛争を防止するためにも公正証書で作成することをお勧めします。


 どんなことを委任できるの?
死後事務は、委任した人が亡くなった後に行う事務なので、委任事項は詳細に決めておく必要があります。
具体的には、亡くなった後の医療費の支払い、家賃等に関する支払い、永代供養のこと、埋葬方法や葬儀に関すること、ペットに関することなどです。


もっとも、葬儀や遺品整理、財産の帰属は相続人の専権事項です。相続人の意向に反する内容の場合にトラブルになるおそれがあるので、親族がいる場合はあらかじめ親族の同意を得ておくことが大切です。

一度契約した内容も変更はできますので、早めに準備されることをお勧めいたします。